世界を割る
「世界を割る」第3回

第3回 あったか~いドリンクを割る

「世界を割る」第3回

最近では春の陽気を思わせるのどかな天気の日もチラホラ。ようやく冬が終わるぞ!花見だ!と気が早くなってしまうところだが、まあ基本的にはまだまだ寒い。自動販売機を見ればホットドリンクが幅をきかせている。今回はあったか~いドリンクで焼酎を割ってみることにした。

まず手に取ったのはチェリオ・ジャパンの「カフェ・オ・レ」。これはもう、焼酎のコーヒー割りがあるぐらいだから絶対うまいだろうと思っていた。ちょっと自分でも「安全地帯すぎるな」と自販機での購入時に照れたほどだ。さていつも通りキンミヤ焼酎で割って飲んでみると、予想通り、いや予想以上にうまい!もともとの味は結構甘めでコーヒー牛乳感が強いが、それでも少しの苦味があり、その苦みがアルコール感と見事に溶け合い、酒を飲んでいることを忘れさせてくれる。焼酎のおかげでむしろコクが出てオシャレな味になった。スタバで出せる!「モカ・キンミヤチーノ」みたいな名前で出せる!

次に試したのはポッカサッポロフード&ビバレッジの「つぶ入りおしるこ」だ。これも、買った時はちょっとチャレンジ感あるなと思ったが、いわば和製カフェ・オ・レみたいなもの(じゃないか)。まあ、そうそう失敗はないだろうと思いつつ、飲んでみる。カーッ!立ちのぼる湯気とともに焼酎の風味が鼻に抜けていく。結果としてはまったくもって美味しい。おしるこの濃厚な甘みに酒の味が覆い隠されてしまうのか、お酒を飲んでる気がまったくしない。なのだが、ぐんぐん酔っていく気がする。日本酒の熱燗でもいいし、焼酎のお湯割りでもいいけど、あたたかい酒って格段に酔いが早くなる気がしませんか?飲みやすくガツンと酔う。焼酎のおしるこ割り、実に危険な飲み物かもしれない。

最後はポッカサッポロフード&ビバレッジの「じっくりコトコトしゃきしゃきつぶ入りとろ~りコーン」だ。いやー!これもありだなー!しょっぱい汁もの+お酒、というと思い出すのが、東京・赤羽のおでんの名店・丸健水産の名物「出汁割り」である。丸健水産は店の前でおでんをつまみに昼からお酒が飲める最高の店なのだが、店で販売しているワンカップの日本酒を半分ぐらい飲んだところで「出汁割りお願いします」と頼むと、おでんのダシをワンカップの容器に継ぎ足してくれ、上から七味を振りかけてくれるのだ。これが後頭部にキーンとくるうまさで実にうまい。一気に酔うけど……。(初出:ミュージックフリーペーパー『UNGA!』No.165)

スズキナオ
スズキナオ
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1979年生まれ水瓶座・A型。酒と徘徊が趣味の東京生まれ大阪在住のフリーライター。WEBサイト「デイリーポータルZ」「集英社新書プラス」「メシ通」などで執筆中。テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーで、ことさら出版からはbutajiとのユニット「遠い街」のCDをリリース。大阪・西九条のミニコミ書店「シカク」の広報担当も務める。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』、『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』(共にスタンド・ブックス)、『「それから」の大阪』(集英社)、『酒ともやしと横になる私』(シカク出版)、パリッコとの共著に『酒の穴』(シカク出版)、『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(ele-king books)、『“よむ”お酒』(イースト・プレス)。

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