世界を割る
「世界を割る」第2回

第2回 大阪を割る!その2

世の中のあらゆる液体で焼酎を割って飲んでみようというこの企画。手始めに大阪を代表する飲料メーカー「サンガリア」の商品で「キンミヤ焼酎」を割ってみることにした。

まず試してみたのは「みっくちゅじゅーちゅ割り」。「みっくちゅじゅーちゅ」は、大阪の喫茶店の定番メニューである「ミックスジュース」という飲み物の味わいを再現した飲料で、パインやバナナ、オレンジなど数種類のフルーツと牛乳をベースにしたもの。果汁を100%使用していないので「ジュース」という表記が使えないということでこのような名前になったとか。もともとはテレビ番組の企画として2001年に開発された商品だったそうだが、売れ行きが好調だったのだろう、現在も全国で販売されている。

グラスに焼酎を入れ、慎重に「みっくちゅじゅーちゅ」を注ぐ、マドラーで静かに、そして速やかに3周かき回して、そっと目を閉じて、飲む。うめえー!

「みっくちゅじゅーちゅ」の華やかなフルーツフレーバーと、とろっとした口当たりが酒感を上手に隠してくれる。最後の最後に「実は酒でした!すみません!」といったニュアンスでアルコールの風味が現れてくる仕掛けだ。これはうっかり飲み過ぎちゃう系の危ない奴だ!こんなの絶対商品化した方がいいのになーと思って調べてみたら「みっくちゅじゅーちゅハイ」っていうのが実際に販売されているらしい。さすがサンガリア!失礼いたしました。

さてお次は「梅ソーダ」。100円ショップで2缶100円で売られていた。このリーズナブルさもサンガリアの大好きなところだ。うめ果汁とはちみつをベースにした炭酸飲料らしく、やる前から絶対美味いと思っていたのだが、その通り、美味かった。甘みが控えめになっていて後味がキリッとしている。これは実際、割りもの用に作られたものなんじゃないだろうか。このまま店で「梅サワー」として出せる味である。

さあお次は「こどもののみもの」だ。なんだ「こどもののみもの」って。見た目は瓶ビールの小瓶のようである。「泡立ち」にこだわった炭酸飲料らしく、要するに大人がいつもぷはーって飲んでいるビールを、子どもだって飲んでみたい!という気持ちに答えて作られた「こどもビール」的なものだ。ホッピーがビールの代用飲料として愛飲された経緯を考えれば、「こどもののみもの割り」はまさに子ども版ホッピーと言えよう。実際、割ってみたところ見た目がホッピーそっくり過ぎて笑ってしまった。飲んでみると、不思議な味わいである。商品説明によれば「アップル風味」だというが、ガラナも含まれていてその辛みも少し感じるし、複雑な味がする。子ども向けとしても少し大人の味わいになっているようなのだ。あと泡立ちがすごくて、飲むとビールのように口のまわりに「ヒゲ」がつく。そこら辺もよく研究して作られているのだろう。

最後に「サンガリアラムネ割り」を。この缶入りラムネ飲料は1974年からのロングセラー商品だ。これもうすうす感づいていたが、当然美味い。飾りのないストレートな味わい。ぜひ商品化して欲しい!(初出:ミュージックフリーペーパー『UNGA!』No.164)

スズキナオ
スズキナオ
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1979年生まれ水瓶座・A型。酒と徘徊が趣味の東京生まれ大阪在住のフリーライター。WEBサイト「デイリーポータルZ」「メシ通」などで執筆中。テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーで、ことさら出版からはbutajiとのユニット「遠い街」のCDをリリース。大阪・西九条のミニコミ書店「シカク」の広報担当も務める。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』(スタンド・ブックス)、パリッコとの共著に『酒の穴』(シカク出版)、『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(ele-king books)、『“よむ”お酒』(イースト・プレス)。

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