2021年に引退したKOHHが千葉雄喜という本名で今年、まさかの復活したわ!
プロレスラー並みの引退からの電撃復活劇よね。まさか本名ならアリだとは思わなかったわ。
KOHHは2010年代の日本語ラップのシーンの盛り上がりを代表するラッパーだったわけなんだけど、数年の沈黙を経てついに活動再開。
そして2024年2月13日にリリースされた話題の新曲が「チーム友達」。
すごい。全てが読めなすぎるわ。さすがはKOHH。誰かこの予想してた人いる??
この曲がすごいのは不穏なトラックに合わせてフックはずっと「チーム友達 チーム友達 チーム友達 チーム友達 チーム友達 チーム チーム チーム友達 俺たち何?え?チーム友達」。シンプル過ぎるわ。怖いぐらいにシンプルだわ。
そしてMVはKOHHの地元、王子の駅前に悪い奴らがむちゃむちゃ集まってタバコ吸ったり踊ったりしながら「チーム友達」連呼。怖すぎるわ。
そしてKOHHの最初のバースは「お好み焼き 食う鶴橋 腹いっぱい 飯は美味い」。えっ、鶴橋(大阪)の話?しかも鶴橋名物の焼肉じゃなくてお好み焼き!?
さすがにシュールすぎるわ…。でもこれがKOHHのラップなのよね。久々にKOHH節を思い出した気がするわ。
でもこういうタイプの何て言うのかしら、TikTokなんかのバズも視野に入れたちょっと面白系入ったユニーク系ラップ曲?
これもKOHHがいない間も若手のラッパーで結構挑戦してた人いたと思うんだけど、こうやって聞くとやっぱKOHHは別格だわ…。
何しろ飛びぬけて変なのよ。途中のリリックなんて「契り交わし飲んでる酒 契り 契り 契り 契り 契ろう 契ろう 契ろう 契ろう 契り 契り 契り 契り 契ろう 契ろう 契ろう 契ろう 契り 契り 契り 契り 契ろう 契ろう 契ろう 契ろう 契り 契り 契り 契り 契ろう 契ろう 契ろう 契ろう」よ?頭がおかしくなるわ!何なのよ契ろうって!?どういう行為?
本当に一周して「狙ってます」感が逆に薄いのよね。フレーズの量で言うと明らかに薄いんだけど、でもその薄さがマジっぽいのよ。
「チーム友達」って本当に思ってそうなリアリティを感じるのがKOHHのすごさなのよ。
さすが『世紀末リーダー伝たけし!』のタトゥー入れてるだけあるわ。
ラップの世界も常に進化してて常に新しいラッパーも出て来てるんだけど、やっぱりKOHHほどシンプルっていうか本質的っていうか適当っていうか、ラップの存在感自体でインパクトを残すラッパーもいないと思うのよね。
スタジオジブリの『もののけ姫』の長いドキュメント番組でやってた、映画のコピーを任された糸井重里が途方もない数の没を出して最後に辿り着いたのが「生きろ。」だったみたいな、そういう本質感を感じるのよKOHHには。そんな没とか出さずに適当に本質に辿り着いてそうな感じがKOHHの凄さよね。(2024年2月配信リリース曲)
「チーム友達」配信サイト
Amazon/Apple/Spotify
(X/PIXIV FANBOX)
1982年、岡山県出身。2004年、『未来は俺等の手の中〜J.P. STYLE GRAFFITI〜』で、第67回手塚賞準入選。著書に『魔法の料理 かおすキッチン』全3巻、『ダークアクト』全1巻、『今日のテラフォーマーズはお休みです。』全6巻(全て集英社)。現在は「COMIC OGYAAA!!(コミックオギャー)」で『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』を連載中、単行本はseason10まで刊行中(ホーム社)。2017年に6代目作画担当に就任した「日ペンの美子ちゃん」の公式Twitterに掲載された漫画の単行本『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)も発売中。
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