PUNPEE & BIM『焦年時代』

第45回 PUNPEE & BIM『焦年時代』

PUNPEE & BIM『焦年時代』夏は過ぎ、風あざみ・・・じゃなかった、今年の夏を代表するEPといえば、8月にリリースされたPUNPEE & BIMの『焦年時代』よね!

全5曲ながら各曲がHIPHOPらしい定番のグルーヴ感とポップさを併せ持つ、素人からマニアまで唸らせるさすがの作品になってるわ。
私的に特におすすめなのは「Night Rider」!
ありそうでなかった非・陽キャ版のドライブチューンって感じなんだけどこの曲のBIMのバースの最後のへんで「今夜 磯丸水産ファッションでパーティオールナイト」って歌ってない!?
これ、ちょっと前に「クラブに磯丸水産みたいな格好で・・・」みたいな話でバズってたツイートがあったんだけど見事に引用した時事ネタ&陰キャネタに昇華させてると思うのよね。

そして何と言っても我々日本語ラップヘッズが度肝を抜かれたのはZEEBRAをfeatした「Jammin'97」!
この曲の何がすごいって、ただZEEBRAをfeatしてるんじゃなくて作中でタイムマシーンで昔に戻って「97年のZEEBRAをfeatしてる」って所なのよ。ZEEBRAといえば誰もが知ってて日本のラップを代表する、Dragon Ashから櫻井翔にまで日本中あらゆる所に影響を与えたあのDMX調のがなるようなフロウが特徴なわけなんだけど、97年のZEEBRAってのはあのフロウになる前なのよ!
日本語ラップマニア達は逆にむしろその時代の曲調やフロウの方が好きみたいな空気もあって、たぶんそれでわざわざ今回97年頃のZEEBRAを呼んで、んでZEEBRAもわざわざ97年頃のフロウでラップしてくれてるのよ。
考えてるわ〜!
歌手も声や歌い方が変わるように、ラッパーもフロウは昔と結構変わったりするわけよ。フロウは特に時代時代の流行もあるしね。
昔のフロウが好きでも「昔のフロウでやってくださいよ!」なんてなかなか言いづらいと思う(多分)んだけど、このタイムスリップ方式は本当に画期的な発明だと思うわ。
じゃあ次はとりあえず、2000年代前半頃にタイムスリップして00年代前半の前のめりな頃のポチョムキンのフロウを是非・・・!(2022年8月配信リリース)

「美ー子ちゃんの今週の一枚」第45回

『焦年時代』配信サイト
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服部昇大
服部昇大
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1982年、岡山県出身。2004年、『未来は俺等の手の中〜J.P. STYLE GRAFFITI〜』で、第67回手塚賞準入選。著書に『魔法の料理 かおすキッチン』全3巻、『ダークアクト』全1巻、『今日のテラフォーマーズはお休みです。』全6巻(全て集英社)。現在は「COMIC OGYAAA!!(コミックオギャー)」で『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』を連載中、単行本は1~7巻(ホーム社)が刊行中。2017年に6代目作画担当に就任した「日ペンの美子ちゃん」の公式Twitterに掲載された漫画の単行本『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)も発売中。

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