美ー子ちゃんの今週の一枚
DADA『Yours』

第40回 DADA「High School Dropout」

DADA『Yours』2021年の日本語ラップシーンも様々な事があったわよね…。

ZORNの武道館、THA BLUE HERBのフジロック、コロナ禍を象徴する大事件となった密フェス・波物語、RIP SLYMEのPES脱退、梅田サイファーのふぁんく脱退、DJ松永のオリンピック出演、ダメレコ再結集&新作リリース、広瀬アリスの「お疲れ様ですCYBER RUIです」、D.O出所、コージー死亡疑惑等々…。

そんな中でも常に新しいフレッシュなスターが登場するのがヒップホップの世界。
私が個人的によかったのは22歳のラッパー、DADAの今年のバイラルヒット曲「High School Dropout」!

DADAは福岡市野芥(のけ)のヒップホップクルー、その名もNokeyBoyz(ノーキーボーイズ)のリーダーで 以前「いじめしてる お前Pussyじゃん」という衝撃のパンチラインを小学生がラップするというこれまた衝撃のスタイルでヒップホップ界を騒がせたヒット曲「Pussy」の太郎忍者の兄らしいのよね!この曲の製作にもDADAが関わってるっていう話よ。

1960~70年代、不良と音楽と言えば「セックス、ドラッグ、ロックンロール」の時代だったわけじゃない?
セックスをしてドラッグをキメて、ロックンロールを鳴らす。これが美しき不良の三大要素だったわけ。

そして時は変わって2021年。DADAの音楽性を一言で言うなら…「セックス、ドラッグ、ママ」。
これ。最新の不良はこれなのよ!!

DADAの「High School Dropout」で歌われるのはヒップホップらしく勢いのいいボースティング、セックスっぽい歌詞、そしてドラッグ描写なんていう定番のリリックに加えて突如ママの話が入ってくるのが斬新なのよ。「愛してるって言うママが 何度も言うんだよママが」「ずっと鳴りっぱなし家の電話 クシャクシャになった金を拾った 弟2人にミルクあげた 小さい身体でママ抱きしめた」なんていう、ハーコーな生い立ちと言うか…いわゆる近年問題視されだしてたヤングケアラーの問題よね。つまり一言で言うならハーコーなヤングケアラーの曲なのよ。

同じ曲の中で片方では「I'm real,Bitchども見ろ HAHAHA」と言いもう片方では「愛してるって言うママが」と家庭の事を言う。
このバランスと言うか緩急というか二面性と言うか詩のセンスは素晴らしいものがあると思うわ。
結局人生ってどっちもあるわけじゃない。どっちもあるから人生なわけじゃない?
曲の中でこの二面性が共存してるから人間らしい深みが出るわけよ。

是非このまま突き進んで欲しいと思うわ!(2021年8月配信『Yours』収録曲)

『Yours』配信サイト
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服部昇大
服部昇大
XPIXIV FANBOX

1982年、岡山県出身。2004年、『未来は俺等の手の中〜J.P. STYLE GRAFFITI〜』で、第67回手塚賞準入選。著書に『魔法の料理 かおすキッチン』全3巻、『ダークアクト』全1巻、『今日のテラフォーマーズはお休みです。』全6巻(全て集英社)。現在は「COMIC OGYAAA!!(コミックオギャー)」で『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』を連載中、単行本はseason10まで刊行中(ホーム社)。2017年に6代目作画担当に就任した「日ペンの美子ちゃん」の公式Twitterに掲載された漫画の単行本『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)も発売中。

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