美ー子ちゃんの今週の一枚

第35回 KMC「お前の部屋には文鳥が必要だ feat.寅(Beats by STUTS)」

ヒップホップヘッズの間でいま話題沸騰の曲といったらやっぱりSTUTS & 松たか子 with 3exesの「Presence」よね!
ヒットメーカー坂元裕二脚本の話題のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』の主題歌をなんと我等がSTUTSが手掛けているわけなんだけど。
しかも毎回新しいラッパーを起用してfeatするっていう気合いの入りよう。
松たか子のパートにはbutajiも共作で入ってて、選ばれてるラッパーも KID FRESINO、BIM、NENE、Daichi Yamamoto、T-Pablow…なんていう我々老舗のヒップホップヘッズも1mmの文句の付けようもない「わかってまっせ」感よね…。

しかし、びっくりするのが星野源やPUNPEEなんていう名だたる旬のアーティストと曲を出してきたSTUTSの次のコラボ相手が松たか子だなんて。
ヒップホップヘッズが毎週テレビの前に座って松たか子の歌を聞く時代が来るなんて夢にも思わなかったわ!

そしてそして、ここからが本題なんだけどそんなSTUTSの今年のプロデュース曲で、このコロナ禍に「死ぬぐらいなら文鳥でも飼えよ!」という驚くべきメッセージソングとしてリリースされたのが盟友KMCの「お前の部屋には文鳥が必要だ feat.寅」!
この長引くコロナ禍において、日本語ラップの世界でもコロナを歌った様々な曲がリリースされたけど、このKMCの意外な方向からのストレートかつ具体的かつポジティブ、そして北方謙三の「ソープに行け!」並にシンプルなメッセージソングはトップクラスの出来なんじゃないかと思うのよね。

ちなみに「feat.寅」の部分の、寅ってラッパーもしくはDJなんていたっけ…?って思ってたらこれがKMCが飼ってる文鳥の名前っていう。
曲の途中で寅のバースもあってほぼDJのスクラッチみたいなノリで文鳥の鳴き声も入ってるわ。どう聞いても完全に鳥よ。

あとおまけに、STUTSとKMCといえば是非聴いて欲しいのはSTUTSの1stアルバム『Pushin'』収録の隠れクラシックとして有名な「Rock The Bells feat.KMC」!
文鳥を飼ってそしてベルを鳴らす、KMCのこの二曲があればコロナ禍を乗り越えられること、間違いなしよ!(2021年1月リリース『BLACK RAIN』収録曲)

『BLACKRAIN』配信サイト
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服部昇大
服部昇大
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1982年、岡山県出身。2004年、『未来は俺等の手の中〜J.P. STYLE GRAFFITI〜』で、第67回手塚賞準入選。著書に『魔法の料理 かおすキッチン』全3巻、『ダークアクト』全1巻、『今日のテラフォーマーズはお休みです。』全6巻、現在「スピネル」にて連載中の『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』1~5巻(全て集英社)など。2017年に6代目作画担当に就任した「日ペンの美子ちゃん」の公式Twitterで発表された漫画を集めた単行本『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)も発売中。

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