SALU5枚目になる新ミクステ(ミックステープ)『Rehabilitation Mixtape』が配信されたわ!
ヒップホップの世界で言う「ミックステープ」って言うのはちょっと昔に一大ムーブメントを起こした…要するにアルバムぐらいの量の曲数が入った実質アルバムなんだけど一曲あたりの分数は短くサクッと聞けてフリースタイルやビートジャックが入ってたりしていい意味で雑に作られててしかも基本的にフリーで配信されるっていう(早口)、ざっくり言うと名刺代わりの手軽なアルバムって感じね。
音楽が無料で聞ける配信全盛期の現代の音楽を先取りしたような発想ですごくHIPHOP的だと思うんだけど、HIPHOIPの世界では10年ぐらい前に大ブームだったのよこれが!
2010年代初頭、日本でもAKLO『2.0』、KLOOZ『No Gravity』、Goku Green(現・GOODMOODGOKU)『HAPPA SCHOOL』、MINT & Girlz N' Boyz(MinchanbabyやCherry Brownのユニット)『SUPER FREE』など注目作が沢山リリースされ、ミクステがきっかけで売れて行ったラッパーも沢山いるのよ。
そんな中で2011年にSALUがリリースしたミクステが『Before I Signed』!
同じくSALUもこのミクステで注目を集め、翌年にはBACHLOGIC主催のレーベルONE YEAR WAR MUSICから『IN MY SHOES』をリリース、その翌年には『In My Life』でメジャーデビューして今考えたらめちゃくちゃすごい勢いで売れて行ったわ。
そしてSALUはメジャーで順調に活動を続けて2014年にAKLO 「RGTO feat.SALU, 鋼田テフロン & Kダブシャイン」、2017年にJP THE WAVY「Cho Wavy De Gomenne Remix feat.SALU」等の話題曲に参加したり、2018年にはなんとあのLDHに移籍してEXILE THE SECONDのボーカルEXILE SHOKICHIをfeat.した曲「GOOD VIBES ONLY feat. JP THE WAVY, EXILE SHOKICHI」はなんとTikTokで大バズりして4億回も再生されたらしいわ…!全然知らなかったけど…。
そんな一見パーフェクトな音楽活動に見えるSALUなんだけど、でもやっぱりメジャーで活動するって面倒だったりやりたい曲も作れなかったり色んなストレスがあると思うのよね。そんな簡単じゃないわよねメジャーって。
で、SALUってラッパーがすごいのはその息抜きなのか何なのかよくわからないけど、とにかく活動の合間合間でめちゃくちゃミックステープをリリースしてて、しかもそれが毎回すごくイイのよ!
初期の頃から一貫したポジティブすぎずネガティブすぎず、素直で誌的でそれでいてエモーショナルなスタイルで毎回これぞSALUの真骨頂って感じなのよね。
今作『Rehabilitation Mixtape』収録曲「道」でもラッパーとしてのバッキンザデイズ物でありながら17歳になった娘(デカい!)に「あの頃いて欲しかった大人になれてたら最高だな/彼氏を家に連れてきたら優しい気持ちで迎えられる自分でありたい」と歌うというバッキンザデイズ+さだまさしチックな名曲に仕上がってるのよね!
あと、たまたま今回さだまさしと比較した事で気付いたけどそういえばSALUの良さってフォークシンガー的センスがある気がするわ…。(2022年12月配信『Rehabilitation Mixtape』収録曲)
『Rehabilitation Mixtape』配信サイト:LinkCore
(X/PIXIV FANBOX)
1982年、岡山県出身。2004年、『未来は俺等の手の中〜J.P. STYLE GRAFFITI〜』で、第67回手塚賞準入選。著書に『魔法の料理 かおすキッチン』全3巻、『ダークアクト』全1巻、『今日のテラフォーマーズはお休みです。』全6巻(全て集英社)。現在は「COMIC OGYAAA!!(コミックオギャー)」で『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』を連載中、単行本はseason10まで刊行中(ホーム社)。2017年に6代目作画担当に就任した「日ペンの美子ちゃん」の公式Twitterに掲載された漫画の単行本『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)も発売中。
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