dj hondaといえば「h」のロゴ。
この漫画の作者世代(30代後半~40代前半)が小・中学校の頃に「ちょっとだけおしゃれな奴が被ってるキャップのブランド」として絶大な存在感だったわよねあの「h」は。
ヒップホップやDJが何なのかわからないしそもそもdj hondaって人が何者なのかは全くわからないけど「なんかイケてる物」としてあのロゴを認識してた子供たちは多いと思うわ。話によると90年代中ごろにイチローがdj hondaのキャップを被ってたりした事もあって大ブームになり、しかも地方の量販店でも扱えるような販売契約にした事によって全国に普及し、当時アパレル関係で約100億円を売り上げたって話よ。
私も日本のヒップホップは好きなんだけどdj hondaの事は長年よく知らなかったのよね。
それぐらい日本のヒップホップシーンとは遠かった人のはずなんだけど、近年いつの間にかdj hondaのトラックを常に聞いてる気がするのよ。2015年にb.i.g. joeとのコラボアルバム『UNFINISHED CONNECTION』を出した時は「へぇー、dj hondaって本当に存在したのねぇ」位に思ってたけどそこからdj honda × 紅桜『dark side』、dj honda × ill-bosstino『KINGS CROSS』、dj honda × SIMON JAP『GOLDEN AGE』…とアルバム出しまくってるのよ!最新だと11月リリースのTWIGYのアルバム『RAPATTACK』の全曲プロデュース…。他のラッパーへのトラック提供だとMC TYSON、阿修羅MIC、GADORO、輪入道、SOUL SCREAM、ジャパニーズマゲニーズ、FREEZ等々…!
とにかくレジェンドDJとは思えないぐらい今、精力的に活動しまくってるのよ。dj hondaは今なのよ。
トラックの特徴としては太い!ソリッド!王道!って感じよ。
ほとんどのトラックメーカーがトラップとかも対応しだした時代にこの唯一無二の極太さはとにかく目立つわ。
このSIMON JAPとのアルバムの表題曲「Golden Age feat.般若」なんてもう王道中の王道、これぞHIPHOPって感じの曲よ。
トラップや若手のラッパーの最新のフロウもいいけど年に一曲ぐらいはこういうど真ん中の曲も聞きたくなるわよね。
で、思うのがこの曲のMVでSIMON JAPが被ってるコラボモデルのゴールドのdj hondaのキャップ、かっこ良くない…?という気がしてくるのよね。
ファッション的に一周してこの時代の感じが逆にアリっていうのもあるんだけど、やっぱり今度は純粋にdj hondaの音楽がイケてるからアーティストグッズとして今かなりアリなんじゃないかと思うのよね…!
ちょっと前まで笑われる対象みたいになってたけど、今被ってたら「わかってるじゃん」って感じよ。
ついに我々も20数年の時を経て、このロゴのキャップを被るときが来たかもしれないわ…。(2022年8月リリース)
『GOLDEN AGE』通販サイト
Amazon/HMV/TOWER RECORDS/WENOD RECORDS
(X/PIXIV FANBOX)
1982年、岡山県出身。2004年、『未来は俺等の手の中〜J.P. STYLE GRAFFITI〜』で、第67回手塚賞準入選。著書に『魔法の料理 かおすキッチン』全3巻、『ダークアクト』全1巻、『今日のテラフォーマーズはお休みです。』全6巻(全て集英社)。現在は「COMIC OGYAAA!!(コミックオギャー)」で『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』を連載中、単行本はseason10まで刊行中(ホーム社)。2017年に6代目作画担当に就任した「日ペンの美子ちゃん」の公式Twitterに掲載された漫画の単行本『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)も発売中。
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