すっかりヒップホップもYouTubeで「バズる」時代になったけど、近年の日本語ラップブームでバズった代表的な一曲と言えば2014年の韻踏合組合「一網打尽 REMIX feat. NORIKIYO, SHINGO☆西成, 漢」よね!
現時点で1700万回も再生されてるモンスター曲よ。
しかしバズるって仕組みも不思議なもので、何ていうかほぼ運…?みたいなものじゃない?
実際に韻踏がこの頃に出してた「前人未踏」も「百戦錬磨」もオリジナルverの「一網打尽」も相当よかったし。個人的には「百戦錬磨」のMVなんてザ・HIPHOPって感じで大好きなんだけど、バズったのは「一網打尽 REMIX」だったわけなのよね。
で、2019年にリリースされた韻踏10枚目のアルバム『マラドーナ』のリード曲「マラドーナ」なわけなんだけど、このタイトル的にもフック的にも最近のトラップ系の若手ラッパーのようにシンプルな発想ながらも、ベテランの小技が凝縮されていてバズりそうな要素抜群なんだけど、100万再生は超えつつもやっぱり「一網打尽 REMIX」ほどはバズらないというね…。
難しすぎるわヒットって!
でも韻踏がすごいのって初期代表曲の「揃い踏み」「ジャンガル」、4MCになっての「MO.GU.RI.」とか…、ずーっと定期的にこういう斬新で盛り上がれる、ともすればバズりそうな曲を出し続けてる事だと思うのよね。
ヒットするのに必要なのってやっぱりこういう堅実な姿勢とくじけずにやりつづける健全な心、そして多少の事では揺るがない自信だと思うのよね。
日本語ラップで10枚もアルバム出せるグループってなかなかいないと思うわよ。
あと最近一二三屋の倉庫が火事になったらしいけど、頑張って欲しいわ(何か買います)!(2019年11月リリース)
『マラドーナ』通販サイト
Amazon/HMV/TOWER RECORDS/WENOD RECORDS
(X/PIXIV FANBOX)
1982年、岡山県出身。2004年、『未来は俺等の手の中〜J.P. STYLE GRAFFITI〜』で、第67回手塚賞準入選。著書に『魔法の料理 かおすキッチン』全3巻、『ダークアクト』全1巻、『今日のテラフォーマーズはお休みです。』全6巻(全て集英社)。現在は「COMIC OGYAAA!!(コミックオギャー)」で『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』を連載中、単行本はseason10まで刊行中(ホーム社)。2017年に6代目作画担当に就任した「日ペンの美子ちゃん」の公式Twitterに掲載された漫画の単行本『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)も発売中。
バックナンバー