ついに人気芸人EXITとの番組が地上波で始まるほどのすごい人気よね。クリーピーナッツ。
クリーピーナッツ人気の大きな理由ってやっぱり「既存のHIOHOPリスナー以外のお客を獲得した」って事だと思うのよね。
あのロキノンリスナーにも聞きやすそうな音楽性を見れば一目瞭然だと思うけど、とにかく「既存の〇〇的なイメージじゃない音楽」って強いわね~と思うわけよ。
日本語ラップの歴史を見ても、クリーピーナッツほど大胆じゃないにしろ、既存のイメージとちょっと違うぞという部分をきっかけに人気を得たグループって結構いたわけよ。
例えば最近配信が始まった横浜のSTERUSS!
特に2005年リリースの2ndアルバム『白い三日月』は当時の若いヘッズには大人気だった名盤よ。
KAZZ-Kのサンプリングやピアノを多用したシンプルながら美しいトラック、そこで日本語ラップ熱に溢れた熱いスタイルながらも詩的な世界観かつロマンチックかつストレートなあたたかみのあるラップを繰り出す、本職が教師のCRIME6と介護士のBELAMA2の2MC!
なんかもう、全てが意外性だと思わない?
「こういうHIPHOPもあるのか~!」と、当時のヘッズは見事にハマったわけよ。
ほんとにジャケットのイメージの通りの音楽性で、「日本語ラップ的な部分」と「従来の日本語ラップ的じゃない部分」が絶妙のバランスで出来ているアルバムだったわ。
STERUSSはサイプレス上野とロベルト吉野と同じ横浜の「ZZ PRODUCTION」所属で、そもそもこのレーベルが掲げていたのが「184045」。これは045スタイルと呼ばれていた横浜HIPHOPのイメージの逆。つまり「非通知+045」なわけね。
このへんも見事な意外性だと思うわ。
このアルバムはパンチラインも多くて名曲「マイク中毒pt.2 feat サイプレス上野」におけるCRIME6の「作品で回答!」は未だに私の人生の道しるべにもなってるわ。(2005年9月リリース)
『白い三日月』配信サイト
Amazon/Apple/Spotify
(X/PIXIV FANBOX)
1982年、岡山県出身。2004年、『未来は俺等の手の中〜J.P. STYLE GRAFFITI〜』で、第67回手塚賞準入選。著書に『魔法の料理 かおすキッチン』全3巻、『ダークアクト』全1巻、『今日のテラフォーマーズはお休みです。』全6巻(全て集英社)。現在は「COMIC OGYAAA!!(コミックオギャー)」で『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』を連載中、単行本はseason10まで刊行中(ホーム社)。2017年に6代目作画担当に就任した「日ペンの美子ちゃん」の公式Twitterに掲載された漫画の単行本『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)も発売中。
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