今年なにげにすごかったといえばブッダブランドの新作が出た事よね!
アメトーーク!の日本語ラップ芸人でもリリックが紹介された、あの「人間発電所」のブッダブランドよ。ちなみに後半ほとんど(同局の)フリースタイルダンジョンの紹介だったあの回でヘッズの株を上げたのは、ICE BAHN「越冬」のバースを丸々蹴ったカミナリだったわよね…。
でも、番組中でも「意味はわからないけどすごい」と評されてたブッダブランドのリリック、あれこそが今日(こんにち)の日本語ラップを日本語ラップたらしめてるんじゃないか?と私はずっと思ってるのよね…。あのわかるようでわけわからなくて、なんかアメリカの影響を受けてるっぽいけど決してアメリカにおもねってるわけでもない図抜けた独自のセンス、アートっぽい感じ、サブカルっぽい感じ、いろいろヤバい感じとか様々なものを混ぜ合わせてたブッダを「イイ!」として後のラッパーがみんな影響を受けてるから、日本語ラップ業界が簡単にメジャー音楽シーンに乗っ取られない妙な音楽性とアーティストとリスナーを育ててきて今日の独自性を保てているような気がするのよね。最初がうすっぺらい音楽で始まってたらすぐに終わってたと思うわけよ。
日本のHIPHOPがただのリア充のパーティー音楽でもなく、ただ不良のイキリ音楽でもなく、かといってただの文系オタク向けでもなく、我々リスナーでもわかるようでわからない「日本語ラップ」って複雑なジャンルになったのはブッダの恩恵じゃないかしら。
ちなみにこのアルバムも驚くほどブッダブランドだから、日本語ラップに興味ある人間は買って損ナシよ!(2019年10月リリース)
『これがブッダブランド!』通販サイト
Amazon/HMV/TOWER RECORDS/WENOD RECORDS
(X/PIXIV FANBOX)
1982年、岡山県出身。2004年、『未来は俺等の手の中〜J.P. STYLE GRAFFITI〜』で、第67回手塚賞準入選。著書に『魔法の料理 かおすキッチン』全3巻、『ダークアクト』全1巻、『今日のテラフォーマーズはお休みです。』全6巻(全て集英社)。現在は「COMIC OGYAAA!!(コミックオギャー)」で『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』を連載中、単行本はseason10まで刊行中(ホーム社)。2017年に6代目作画担当に就任した「日ペンの美子ちゃん」の公式Twitterに掲載された漫画の単行本『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)も発売中。
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