
装丁:ことさら出版
【フルカラー単行本|B6判・82ページ・束幅6mm|1400円+税|2025年12月15日発売|ISBN978-4-909967-04-6】
ことさら出版とスズキナオさんは、昨年から『ずっとあった店』という書名で刊行予定の単行本の制作を進めています。『ずっとあった店 BARレモン・ハート編』は、その『ずっとあった店』のフルカラー分冊版で、北海道札幌市のバー「BARレモン・ハート」をスズキさんが取材した2日間の記録です。ZINE・同人誌的な体裁のページ数の少ない本となりますので、よろしければ下の「版元より」や試し読みをご確認の上、ご購入やお取引を検討いただければ幸いです。
試し読み
全82ページのうち、31ページまでの本編と、版元あとがきを下記ページよりご覧いただけます。
※上に「403 Forbidden」や「500 Internal Server Error」が表示されていても、タップやクリックで閲覧可能です。仕様上、他サイトやSNS上から直接アクセスできないため、SNS等でご紹介いただける場合は本商品ページのURL(https://kotosara.net/products/ktsr-004b/)をご使用ください。
版元より
『ずっとあった店』は、長くお店の営業を続けてこられた方々にスズキナオさんがお話を伺い、その人生と店の歴史のほんの一部をまとめた1冊の本としていずれ刊行予定です。ただ、1店あたりの取材・原稿作成に数ヶ月かかってしまい、本の完成に最低でも2~3年はかかる見込みで、成果物を関係者の皆さまにお渡しできるまでの期間があまりにも長くなってしまいます。
そのことが心苦しく、またスズキさんも本が出るまでは印税というリターンが発生しないこともあり、ご許可をいただけたお店については、モノクロ本文の単行本に収録予定の原稿から写真を大幅に増やし、取材の経緯などを記したことさら出版のあとがきを加えたフルカラー版として、そのお店のみを取り上げた本の制作を決めました。その第2弾となる本書は、北海道札幌市の歓楽街ススキノで営業する、あの古谷三敏さんの名作漫画と同名のバー「BARレモン・ハート」(以下「レモン」)の取材をまとめたものです。

ひょんなことからレモンを訪れた私は、お店とマスターの人柄に魅了され、ぜひ『ずっとあった店』の取材をしたいと思い、実際に2024年9月にスズキナオさんと札幌を訪れることになります。ところが、いざ、マスターの若い頃から順番にお話を伺ってみると、40年近く営業しているはずのレモンの話にちっともなりません。ススキノで60年近くお仕事をされているマスターの本村武さんは、レモンを開店する前に、あまりにも多くのお店で働き、経営されてきた方なのでした。そして、そのお話がとにかく面白く、エピソードも盛り沢山なのです。
そのため、期せずしてこの本には、“ススキノの生活史”のような一面も持っています。そして、本村さんのお話、お人柄の魅力は、スズキさんの文章や写真から存分に伝わるものと思っています。残念ながら、分冊版第1弾の「スナック屋台おふくろ」は閉店してしまっていますが、本村さんは、いつか故郷の佐賀に帰りたいと思いつつも、2025年12月現在は、元気に営業を続けておられます。ぜひ、お近くにお住まいの方や、札幌旅行のご予定がある方は、本書をご一読の上、レモンに足を運んでいただきたいと願っています。お酒が飲めない方も大丈夫です。
(※“ずっとあった店”は閉店してしまったお店を意味するものではなく、私なりの定義はこちらの商品ページの試し読みで公開している「版元あとがき」に記しています)


本書には、第1弾のスナック屋台おふくろ編から、取材対象以外の変わっている点がいくつかあります。
まず、『ずっとあった店 スナック屋台おふくろ編』の印刷・製本をお願いした、能登半島地震に被災された石川県珠洲市のスズトウシャドウ印刷様が事業を終了されてしまったため、本書の印刷・製本は、同社と災害協定を結んでいた新潟県魚沼市のあかつき印刷様にお願いしています。分冊版の制作を通じて、能登の復興に微力ながら貢献したいと考えていたため、スズトウシャドウさんの事業終了は正直ショックであったのですが、あかつき印刷・酒井代表にご丁寧に引き継ぎいただき、本の体裁はまったくと言っていいほど変わっていません。
その中で大きく異なるのが文章量です。本村さんのお話を伺って、スズキさんと「レモン開店までの話も入れるしかない」と盛り上がったものの、問題はどう入れるか。『ずっとあった店 スナック屋台おふくろ編』の66ページ・税込1320円という価格も、私としては限界ギリギリのラインであったのですが、原稿の文字数はおふくろ編の約3倍。そこで、本文の級数(文字の大きさ)をおふくろ編から大幅に下げ、なおかつ二段組にしました。『ずっとあった店』分冊版シリーズは予算の関係で表紙や本文の文字組みを全て私自身がやっているのですが、よもや我が人生で二段に組むときが来ようとは露ほども思っていませんでした(それでもおふくろ編よりも16ページ増えている関係で、価格が200円+税高くなってしまっています。ご容赦ください)。

もう一つ変わっているのが、本文用紙です。上の写真を見ていただくと、写真が滲んでいるように見えるのではないでしょうか。これはこの画像の解像度が低いからではありません。『ずっとあった店 スナック屋台おふくろ編』では――私は出版社などの勤務経験がなく紙の知識がほとんどないのですが――、おそらくカラー写真を掲載する雑誌などに用いられることが多い気がしているコート110kgという紙を本文に使っていましたが、本書ではスノーフォース97㎏という紙になっています。
あかつき印刷・酒井代表が、おふくろ編と同じ表紙・本文用紙の在庫はあるが、本文にはスノーフォースという紙も使えると教えてくださり、「北海道のバーを取材した本に、雪を名前に冠する紙を使うのもいいな」と、スノーフォースの使用を決めました。紙の変更でどう変わるのかがまったく想像できないので、もちろん事前に試し刷りをしていただいた上での決定です。コート紙にはないぼんやり滲むような写真の質感が、バーの白熱灯の照明の中でお酒を飲んでいるときの視界に繋がるところがあるように感じたのです。『ずっとあった店 スナック屋台おふくろ編』もお持ちの方は、ぜひ見比べてみてください。
ちなみにレモンは、昨年一度閉店されています。本村さんが佐賀に帰ろうとしたためですが、惜しむ声が数多く寄せられ、移転・再オープンしています。その際に(おそらくレモンの前はスナック的なお店だったと思われる)小さめの物件になっているので、レモン目的で札幌に行かれる方には、事前のご予約を強くおすすめします。連絡先などはこちらのGoogle Mapをご参照ください。
(本作は取次会社を経由した一般的な流通方法で販売されますが、ご注文をいただいた書店様にしか納入されません。そのため、確実に入手いただくには、書店様にご予約・ご注文をいただく必要がございます。また、可能な限り書店様の売上に貢献いたしたく、イベント出店時以外のネット直販等はしばらく行わない予定です)
※本書の売上の1%は「さっぽろ子ども未来基金」に寄付されます。
書店員様へ
本書は鍬谷書店を通じて、すべての帳合の書店様へ取次経由の出荷が可能です。
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書店員様へ向けて全ページをお読みいただけるWebページおよびPDFをご用意しております。内容を確認したい場合も、お気軽に上記ページからお問い合わせください。
販売をご検討いただける店舗様や個人様へ
ことさら出版の出版物は、書店様に限らず、どんな方でも直接取引の卸売をご利用の上、販売いただくことが可能です。わかりにくい記載で申し訳ないのですが、詳しくはCD『膝』を例にしたこちらのポストや、こちらのnote記事をご参照ください。
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